飛車角

とても長く生きている唐傘お化け。
“弱きを助け、強きをくじく” の一点のみを自らの行動理念とする好漢。
生まれたばかりにも関わらず一人で沢井家に向かおうとするすみと出会い、見かねて送り届けた成り行きで沢井家に居付くことになった。
沢井家の皆のことは “守るべき対象” であると同時に、“一個の人格” として認めており、常に控えめ、余程のことがない限りは口出ししないように努めている。
沢井家の皆には “おじいちゃん” として扱われているが、実は昔、“仏法敵 大傘妖飛車角” の異名を持つことになった強力な妖怪。
（ただし、現在の飛車角は寄る年波の影響大きく、往時の力の十分の一も発揮できない）

物妖としての寿命を迎えつつあり、すみがどれほどに手入れしても補いきれぬ “古び” がその全身を覆ってしまっている。
頭のほうもボケが進み、かみ合わない話しや記憶違いが多くなってきており、すみとえみを間違えたり、透を高芳と間違えたりも。
睡眠時間も極めて多くなっているものの、寝ている時の飛車角は七年前の飛車角であることが多く、夢の中で幾度も幾度も夏葉に出会い、泣いている夏葉をなぐさめ、勇気づけている。